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生物多様性と森林とecomo その2『自然環境保全地域』

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2010年09月01日 09:35

生物多様性と森林とecomo その2『自然環境保全地域』

コモ鈴木ですひよこ

生物多様性と森林とecomo その1『伊熊神社社叢』では
『伊熊神社』についてさらっとご紹介しました。


で、ところで『愛知県自然環境保全地域』っていったいなんなの?
って思われる方もみえると思うのでちょい説明します。

めちゃくちゃ簡単に言えば、
「とても貴重な森だから愛知県でルールを定めて保護します。」
って感じなんですが、もうちょい詳しく。

まあ興味無い方はまったく面白くないと思いますし、
しかもぼくのWebで調べた程度の付け焼刃の知識ですが。。

『愛知県自然環境保全地域』(以下、「保全地域」という)は
自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例(昭和48年愛知県条例第3号)第20条第1項の規定に基づき、知事によって指定されます。

自然公園、原生自然環境保全地域及び自然環境保全地域(国指定)を含まない地域で、すぐれた自然環境を有している地域(天然林、特異な地形・地質、野生動植物の生息(育)地など)を指定して、私たちの共通の財産として、将来にわたり保全しようとするものです。

『伊熊神社社叢』は昭和52年4月22日に指定されました。

平成22年4月現在で、海上の森など15箇所の地域が指定されています。

詳しくはこちら⇒『あいちの環境ホームページ 愛知県自然環境保全地域』




また知事は、保全地域に『特別地区』というものを指定することができます。

『特別地区』内で保全状態を撹乱してしまうような以下の行為をする場合、原則的に知事の許可がなければ行うことができなくなります。

①建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
②宅地を造成し、土地を開墾し、その他土地の形質を変更すること。
③鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
④水面を埋め立て、又は干拓すること。
⑤河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
⑥木竹を伐採すること。
⑦知事が指定する湖沼又は湿原及びこれらの周辺一キロメートルの区域内において当該湖沼若しくは湿原又はこれらに流水が流入する水域若しくは水路に汚水又は廃水を排水設備を設けて排出すること。
⑧道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域のうち知事が指定する区域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。





さらに知事は、特別地区内に生息している特定の野生動植物で、保護のために特に必要があると考えられる場合は、その区域内に、その保護すべき野生動植物の種類ごとに、野生動植物保護地区を指定することができます。

野生動植物保護地区内では、その定められた野生動植物(動物の卵を含む。)を捕獲したり、殺傷したり、または採取したり、損傷してはならないことになっています。

『伊熊神社社叢』では、野生動植物保護地区が社叢の南北で定められており、保護すべき野生動植物の種類として以下のように指定されています。

①伊熊神社社叢 北部野生動植物保護地区(面積:0.24ha)

【野生動物】
ツムガタモドキギセル(キセルガイ科)

【野生植物】
フタバアオイ(ウマノスズクサ科)、トウゴクサバノオ(キンポウゲ科)、ユリワサビ(アブラナ科)、キジヨラン(ガガイモ科)、マネキグサ(シソ科)、ケヤマウツボ(ハマウツボ科)、モミジガサ(キク科)、ナベワリ(ビヤクブ科)、ユキザサ(ユリ科)

②伊熊神社社叢 南部野生動植物保護地区(面積:1.25ha)

【野生動物】
ツムガタモドキギセル(キセルガイ科)

【野生植物】
コアサダ(カバノキ科)、ウワミズザクラ(バラ科)、キジヨラン(ガガイモ科)、サカネラン(ラン科)


▼伊熊神社社叢 保全地域の看板
生物多様性と森林とecomo その2『自然環境保全地域』

▼区域概略図
生物多様性と森林とecomo その2『自然環境保全地域』



とまあ、長々と書き連ねましたが、
この多様性豊かな天然林といきものがつくる貴重な生態系は、
このような法令などで守らなければ
簡単に失われてしまうほどデリケートな存在
であることを意味しています。


近所なのでコモ鈴木も伊熊神社にはよく行きますが、
保全地域であることを知ってからは
天然林内部へは入ったことがありません。


すでにある歩道などから観察する程度です。


そこは鎮守の森です。


野生生物たちの聖域です。


適度な人の立ち入りがある里山とはまた違います。


学術的な知識などがまだまだ不十分なぼくが、
好奇心や興味本位でむやみにその聖域に立ち入り、
貴重な生態系を撹乱してしまうことを恐れるからです。


できるかぎりそっとしておいてあげたいんです。


一説では800年もの間、今の状態を存続してきた森なんで
よっぽどそんなん大丈夫だと思いますが、
しかるべき準備をしてから、
明確な目的を持って立ち入るべきであろうと考えます。

豊田市矢作川研究所の調査でも、その生物多様性が長年にわたり維持されてきたであろうことを確認しています。
詳しくはこちら⇒
豊田市矢作川研究所の機関紙『Rio』2010.7(No.143) 矢作川流域の社叢林(2)伊熊神社(旭地区) 洲崎燈子




いずれはこの森のこと、
また、その周りの里山を含めた生きものの世界についてもっと学び、
この豊かな自然をいつまでもいつまでも見守っていければいいなぁと思っています。


て、かっこつけるはいいけど、口で言うほど簡単なことじゃないんすよねー実際。。。ええと(汗)

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